令和元年12月1日に改正道交法施行令がいよいよ施行されます。
いわゆる「ながら運転」の罰則が強化されることになりました。
運転中の「ながら運転」といえば、スマホ操作が代表的なものでしょう。
私たち自身、すれ違う対向車の運転手がスマホを手にしている場面や、運転中の通話などの場面を目にすることがありますよね。
これらは、検挙されれば現在でも厳しい処分が科されるきわめて危険な行為です。
今回のテーマは、これら「ながら運転」に対する罰則がどのように変わったのか、そもそも何が違反行為なのか?
これをいい機会に、私たち自身、気持ちを引き締めて日々の運転に臨みたいものです。
では、まず「ながら運転」とはそもそも何か、この点を確認していきます。
ながら運転とは?
ながら運転とは、運転中に携帯電話(スマホ)を使用したり、カーナビを注視するなどして、運転がおろそかになることです。
記憶にあると思いますが、2016年に愛知県で、トラックが小学生をはね、死亡させる事故がありましたよね・・・・
その原因が、運転手がスマホゲームに夢中になっていたためということで話題になりました。
こういった「ながら運転」による事故は、近年、増加の一途をたどっています。
交通事故そのものは減少傾向にあるのに、この「ながら運転」を原因とする事故は増加しているのです。
警察庁のホームページによれば、ながら運転による事故はこの5年間で約1.4倍の数に増加し、ながら運転による死亡事故も、携帯電話などを使用していない事故に比べ約2.1倍とのことです。
こういった状況を踏まえ、今回12月1日施行の厳罰化ということになったのでしょうね。
それでは、厳罰化によってどこがどう変わったのか、この点を明らかにしていきましょう。
ながら運転の罰則強化は何が変わったの?
まず、この二つの言葉を確認しておきましょうか。
それは、「保持」と「交通の危険」です。
「保持」というのは、携帯電話(スマホ)の使用などを意味し「交通の危険」とは、携帯電話(スマホ)を使用することで、交通の危険を生じさせることです。
つまり、「交通の危険」は、信号無視や交通事故のことと理解すればいいでしょう。
この「保持」と「交通の危険」の二つの区分によって、それぞれ罰則が異なってきます。
まず「保持」の方から説明しましょう。
違反点数は1点だったものが、3点となります。
反則金は大型車は7,000円→25,000円に、
普通車は6,000円→18,000円に、
二輪車は6,000円→15,000円、
原付車は5,000円→12,000円というように、大幅な増額になりました(事後が多発すると、とにかく規制されるのは仕方ないですね)
これほどの額の反則金は、以前は速度超過のみ適用だったのですが、携帯電話の保持にも適用されるように改正されたわけです。
また、反則金は行政処分ですが、場合によっては刑事処分である罰則もあり得ます。
改正された内容は、5万円以下の罰金→6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金、というように非常に厳罰化されました。
ながら運転に対しての政府の本気度が伝わってきます。
「交通の危険」はどうでしょう。
まず違反点数ですが、改正前は2点だったものが6点に引き上げられます。
つまり、即座に免許停止に・・・・・・
さらに、反則金は適用除外になりました。
交通反則通告制度の対象外ということです。
つまり、行政処分で済ましていたものをすっ飛ばして、刑事手続きに入るということです。
有無を言わさず前科がつきます。
罰則を見てみましょう。
3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金→1年以下の懲役または30万円以下の罰金、というように改正されます。
こちらも相当厳罰化されたのがお分かりいただけたと思います。
では、どういった行為が「ながら運転」として取締りの対象になるのでしょうか?
何処までが駄目なの?
基本的には、運転中にスマホを使用するのは取締りの対象です。
電話やメールはもちろんのこと、ゲームなどは全くの論外です。
その際に事故を起こしたり、信号無視をしたりすれば、「交通の危険」として最悪は懲役刑となりえますね。
運転中のスマホ、これは即アウトです。
この点は異論はないと思いますが。
問題は、信号待ちのときにスマホを見る場合や、ハンズフリーで通話する場合などでしょう?
こういった事案には「保持」が適用になるのかどうか。
まず信号待ちのスマホについてです。
道路交通法の第71条5の5を見ると、「当該自動車が停止しているときを除き」という文言がありますから、停止しているときにスマホを見るのは原則的には違法ではありません。
あくまでも問題になるのは、移動中にスマホをいじることです。
では、ハンズフリーの通話はどうでしょう。
これも、道路交通法に従えば、手でスマホを持つわけでも、画面を注視するわけでもないので違法ではありませんが
ただし、ハンズフリーの通話に関しては、各都道府県で条例を設けて禁止しているところもあるので注意が必要です。
万全を期すなら、お住まいの県警に問い合わせてみるのが安心でしょうね。
まとめ
スマホは私たちの生活に欠かせないツールですが、運転中のスマホは大事故につながり最悪の場合には尊い人命が奪われることになる結果を招きかねません。
ながら運転の厳罰化は、もう一度、私たちの運転を反省してみるいい機会なのかもしれません。
絶対にながら運転はしない、と思いを新たにして、日々の運転にのぞもうではありませんか。
事故の無い未来を目指して!!