バッテリーには電気を溜めることができ溜めた電気を使うことはできても電気を作り出すことはできません。
そこで登場するのがオルタネーターです!!
……….えっ!?
聞きなれない??
確かに普通に生活していく中でこの言葉を聞くことはほとんどないと思います。
でも車にとってはとっても大事な部品で,そして車に乗る人にとっても大事なものになります。
壊れると間違いなくエンジンはかかりません。
そんなオルタネーターいったいどんなものなのか?
壊れる前兆はあるのか?
オルタネーターって何?
では、そもそもオルタネーターって何?と言うところからいきましょうか。
中にはオルタネーターは知らなくてもダイナモという言葉は聞いたことある人がいるかもしれません?
オルタネーターとダイナモは厳密に言えば違いますが、大きく捉えれば同じとも言えます。
どちらも電気を作ります。
そうなんです。車の発電所なんですよね!
車の発電所なんていうとちょっとおかしなことになってくるのでせめて発電機と表現しておきますが、オルタネーターはエンジンがかかったと同時に発電が始まります。
エンジンが回っている間ずっと電気が発生していて、いろんなところで使ったりバッテリーに充電しているのですが、ではどうやって電気を発生させているのかと疑問に思ってしまいます。
しかしここで理論まで説明してしまうと寝てしまう人が出てくるので割愛しますが、 「オルタネーターは電気を作るところ!」とだけ理解してくださいね。
そしてもうひとつ質問。
「エンジンが動いている間中ずっと電気を作っているのなら電気を作りすぎたりしないのか?」と思う人がいると思います。
ご心配なく。
そこには電気を一定に保てるように〔ボルテージレギュレーター〕という部品が監視しており、発生する電圧を上げたり下げたりして管理してくれています。
ここまでくると車の電気はオルタネーターがすべての主導権を握っているように思えますが、オルタネーターだけでは車のエンジンはかからず、エンジンの回転数によって発電量も変わってくるので、オーディオやエアコン、ワイパーなどを同時に使っている時にアイドリング状態になれば、電気の供給が足りなくなりエンジンストップになります。
そこでバッテリーに電気を蓄え、エンジン始動やいろんなところへの電気の供給をオルタネーターとバッテリーが分担して補っているんです。
オルタネーターで出来ない所をバッテリーが補助しているので、車の電気はこの2つにおまかせという感じですね。
ではこのオルタネーターが故障するとどうなるでしょうか?
またその見分け方についてみていきましょう。
オルタネーター故障すると?見分け方は?
まずオルタネーターが故障すれば間違いなく車はエンジンがかかりません!
これがまだ自宅や仕事場の駐車場ならいいですが、信号待ちの時や旅行先などで故障して立ち往生なんてことになったら目も当てられないどころか、二次災害の危険にまで見舞われてしまいます。
故障すれば発電しません(当たり前ですが)
故障したからといってすぐ車が止まってしまうわけではなく、しばらくはバッテリーの電力を使って動きますが、それも長くは持たずエンジン停止。
そこまでくればもう一人ではどうしようも出来ませんので、業者を呼ぶしか手段はなくなりますが、そうなる前に予兆は必ずありますのでうっかりで見逃さないようにしましょう。
予兆1 警告灯
もっとも分かりやすいのがバッテリー警告灯です。
普段は他の警告灯もそうですが、エンジン始動時に一瞬ついてすぐ消灯しますが、故障によりバッテリーへの充電が出来なくなると警告灯が点灯します。
バッテリーの形したもので赤い警告灯なので分かりやすいと思います。
バッテリー以外でも、赤い警告灯(例えばオイルの警告灯など)がついたら危険だということを認識しておきましょうね。
点灯したらすぐ安全な所で停車させて、ディーラーや馴染みのある整備工場等に連絡して指示に従うようにしてください。
バッテリー警告灯が点灯しているということは、オルタネーターの故障によって充電が出来ていないということ意外にバッテリー自体の不具合も考えられますが、どちらにしろ危険ですので早めに対処するようにしてください。
予兆2 音
エンジンをかけた時や走行中に「キュルキュルキュル…..」という音が自分の車からとか、他人の車からだったり鳴っているのを聞いたことがあると思います。
その音はベルトが原因で発生している音です。
オルタネーターはじめウォーターポンプやエアコンのコンプレッサー等はエンジンの回転する力を利用しているため、それぞれがベルトでつながっています。
そのベルトは消耗品となるので磨耗や劣化しますので、緩くなったりしてその擦れが音となっています。
最悪の場合切れてバッテリーに充電出来なくなるどころか、エンジンに大ダメージを与えてしまう可能性がありますので早めに交換するかベルトを張り直してもらいましょう。
私も昔、放置しすぎたせいでエンジンをかけた際にボンネットから白い煙がモクモク出てきた経験があります。
その時はまだ若く何の知識もなかったので「やばっ!車が爆発する!!」とめちゃくちゃ焦り、エンジンだけは切って一人で避難しました。。。
予兆3 電気系統の異常
夜間の走行中にヘッドライトが暗くなってきたり、オーディオの音が大きくなったり小さくなったりと電気系統が不安定な動作をしてきます。
原因としてはオルタネーターの寿命が近く、通常の電圧が作れていない状態です。
早急に交換が必要となります。
予兆4 エンジンがかからない
エンジン始動時にセルも回らないとなると真っ先に疑うのがバッテリー上がりですが、バッテリーを交換しても同じ症状が出るならオルタネーターの故障による充電不足となります。
その際も警告灯はついているはずですので見逃さないようにしてください。
予兆5 エンジンの回転数が上がらない
坂道など走行中にアクセルを踏んでるのに加速しないという症状が出た場合、スパークプラグやイグニッションコイル(燃焼させるための火花を作る時に電気を供給する装置)が疑われますが、交換しても改善なければオルタネーターの電力不足によるものです。
電圧が低下すればガソリンを噴射するためのインジェクションや、火花を点火させるスパークプラグにうまく電力がいかなくなり、エンジンの吹け上がりが悪くなって回転数も上がらなくなります。
以上、予兆を5つあげてみましたが、見て分かるもの・聞いて分かるものが主な見分け方になりますので、大事な車からのサインを逃さないようにしましょう。
ではここまで「故障かも?」の見分け方についてお話してきましたが、もし壊れてしまったり調子悪くなってしまった場合どうすればいいのか?
修理した場合はどれくらいの金額がかかるのか?についてまとめてみます。
修理の場合の金額は?
故障したり調子悪ければ当然修理しなければいけませんが、金額的にけっこう高そうと思っている人多いと思います。
そうなんです。
本当に高いんですよね・・・・
まだ、「キュルキュルキュル…..」という音が始まってベルトだけの交換や調整であれば安く済みます。
ベルトの張りの調整だけだと作業工賃だけなので3,000円程度、ベルトはオルタネーターと共にファンも一緒に回しているのでファンベルトという言い方をしますが、交換するには部品代で、3,000円~4,000円程度、それと工賃で5,000円くらいなので1万円いかないくらいですが、ベルトは車種によりますがファンベルト以外にエアコンベルトやパワーステアリングベルトもついていてこちらも消耗品となっていますので、ついでに交換しておけば工賃を1回分で抑えることが出来ます。
オルタネーター自体の修理となったときが高額となるのです。
新品で購入しようとすると50,000円~100,000円とプラス工賃となるのでちょっとすぐに二つ返事で交換とはいかない金額ですよね。
交換するなら新品が一番良いですが、出費が大きくちょっと手が出ない方にはリビルド品に交換するという方法があります。
リビルド品とは中古品を分解してしまい点検・洗浄してブラシなどの部品をすべて新品に交換して、再度組みなおした物になるのですが、性能は新品となんら変わらないです。
いわば、新品と中古の中間にあたりますが金額は新品の半額程度で20,000円~50,000円となりますので、一般的にはこの方法が一番行われてますね。
そして一番価格的に抑えることが出来るのが中古品として購入することです。
中古品として購入すれば部品は1万円以下の物が多くインターネットでも販売されていますが、やはり中古品は安いだけがメリットでデメリットもたくさんあります。
ほんとに程度がいい部品もあるのでしょうが、内部の点検までされていない物も多く保証もないし、ましてやどんな状態で保管されていたのかすらわかりません。
安く購入したはいいがすぐ悪くなり、再度交換するのに新たに部品代と工賃かけるなんてことになれば、最初から新品に交換したほうが良かったとなりますよね。
安いからと安易な考えだと逆に大きなダメージとなりますので気をつけてくださいね。
そこで一つ注意点です
インターネットで交換を安く済ませる方法で、部品を購入して自分で交換するなんてことを見かけます。
作業方法も検索すれば大丈夫と紹介されていますが、慣れていない方や不安に感じている人は絶対行わないでください。
確かに一番価格も抑えられるし交換方法も掲載されていますが、ベルトは交換してから適正な力で張らないといけません。
弱すぎればベルトの痛みが早くなったり、張りすぎればエアコンのコンプレッサーなど他の部品の故障を招いたり、ボルトの締め忘れなど検索では分からない問題が数多く発生してとても危険です。
世の中は手作りが流行っていますが、車は自宅の棚や家具のDIYと違って他人を含む大事故につながる恐れもあるので、交換はプロの方にお任せください!
では最後に寿命についてお話しておきましょう。
オルタネーターの寿命ってどれくらい?
人間もそうですがどうしてもさけられないことは寿命です。
日頃の使い方やおかれている環境により寿命は延ばしたり縮めたりは出来ますが、なくすことは出来ません。
その寿命とはどれくらいなのでしょうか?
まず、ファンベルトなどのベルト類ですが、目安の走行距離として5万~10万キロ、使用年数として3年~5年がとなりますが、ベルトのひび割れや溝の磨耗状態で交換が必要になります。
距離を多く乗れば溝は磨耗しますし、乗らなくても経年劣化でひび割れが出てきますが、定期点検での点検項目に入っていますので悪ければ交換を勧めてこられると思います。
オルタネーターの寿命は10万~15万キロと言われていましたが現在ではオルタネーターに付いている部品の性能も上がり負荷がかかりにくくなったこともあり、20万キロや30万キロでも交換なしということもよくある話です。
当然環境や使用状況が大きく関係してきます。
電飾類やスピーカー類など常に電力を多く使っている車や、渋滞する道路を走ることが多く実走行よりアイドリング時間が長い車、寒い地域で通常の容量のオルタネーターを装着している車などは寿命が短くなってきます。
症状としては予兆の所でもお話しましたが、ヘッドライトやオーディオなどの電気系統の異常が発生してきます。
その症状が出てきたら末期ですので早急に修理するようにしてください。
まとめ
今までオルタネーターとは何ぞや?と思っていた方でも、なんとなく重要性が分かってもらえたのではないでしょうか。
昨日まで何の異常もなくいきなり故障なんてケースはほんとに稀で、ほとんどの場合何らかの形で車からサインは出ています。
最近の車は特にいろんなセンサーが数多く装着されていますので、タイヤの空気圧が低くなったことですら異常があればすぐ運転者にランプや表示で知らせてくれます。
完全に故障してしまえばエンジン停止になるほど車にとって重要な部品です。
車からのサインを逃さず、放置せず定期点検をして安全なカーライフを過ごしましょう。