自宅のガレージや倉庫、はたまたベランダなどにスタッドレスタイヤを保管されている方はけっこういらっしゃるのではないでしょうか?
スタッドレスタイヤは1年のうちの数ヶ月しか使用しませんが、なければ雪が降る時期には大変困りますよね。
雪が降らない時期はもちろん使うことはないので保管するのですが、使用期間より保管期間の方が長くなりますので、間違った保管をしてしまうといざ使おうと思ったときに劣化が激しかったり変形したりして、高価なタイヤを買いなおすことになったり思わぬ事故を招いたりします。
タイヤは性能が命です。
性能を少しでも長く維持できるように正しい保管方法を学び、いざというときに安心して走行できるようにしましょう。
タイヤ保管方法で最適な場所は?
まずスタッドレスタイヤの寿命からお話したいと思います。
スタッドレスタイヤは雪やアイスバーン状態の道路を滑らないようにしっかり路面にグリップさせないといけませんので性能維持がとても大切です。
なのでサマータイヤと違い寿命が短くなっています。
タイヤには寿命が見た目で分かるようにサインがあるのですがスタッドレスタイヤにはそのサインが2つあります。
1つ目はサマータイヤにもありますがスリップサインと呼ばれるもので、法令で定められた残り溝の最低ラインを示すものになります。
2つ目はプラットホームと呼ばれるサインでスタッドレスタイヤとして使える最低ラインとなっていて、特にプラットホームを越えて使っていたからといって整備不良などで処罰を受けるわけではないですけど、雪道の走行にはかなり危険です。
プラットホームは新品の溝から50%の所についていますが、そこを超えたからといって捨ててしまうのももったいないので溝がなくなるまでサマータイヤの代わりで使用することも出来ますが、サマータイヤと比べてグリップ力は弱くなるので使うときはいつも以上に慎重な運転、ブレーキングをするようにしてください。
そしてもう一つの寿命が使用年数です。
タイヤには製造年月日が刻印されています。
「セリアル」といわれるものでアルファベットのあとに4桁の数字が書かれた刻印があるのですが、これが製造された年と何週目に製造されたのかを示しています。
スタッドレスタイヤはサマータイヤと違い非常に柔らかいゴムで出来ており、ゴムが柔らかいからこそ氷の路面にタイヤが食いつくようになっています。
新品の状態が一番柔らかくなっていて、使用年数が長くなってくると走行時の熱や経年劣化によってだんだん硬くなってくるのでセリアルは目安として大事な一つとなります。
経年劣化はさけられるものではないですけど遅らせることは出来ます。
それは人間でも物でも同じことで、ほったらかしにしていればすぐ劣化するし、こまめにお手入れすれば長持ちしますよね。
そこで正しい保管方法が大事になってくるのですが、タイヤを劣化させる主な原因は「水と油と熱と紫外線」になります。
いかにここを抑えるかが長持ちさせるポイントになってきますので一つ一つ説明していきたいと思います。
●タイヤの点検
溝の残りはどれくらいあるかタイヤの内側と外側の減り具合は極端に違っていないかや、ひび割れや釘などは刺さっていないかは見た目でじゅうぶん分かるので、次のシーズンでも使えるかどうかの確認をしてください。
このとき溝に挟まっている小石も取るようにしてください。
●タイヤの洗浄
また、タイヤワックスは「油分」になるのでつけている場合は洗剤を使い洗い流すようにしてください。
●乾燥させる
「水分」が残ると劣化の原因となります。
あらかじめタオルなどで水気を取り、日光の当たらない場所で自然乾燥するようにしてください。
●袋に入れる
いくら日陰で保管するからといっても「紫外線」はありますので、少しの紫外線も防止するようにしましょう。
ここまでくればあとは保管するだけなのですが、保管場所はどこが最適でどんな形で保管したほうが良いのでしょうか?
保管場所のポイントとしては、「熱と紫外線と水」の防止です。
これらのすべての条件をクリアしている場所は、「直射日光が当たらず風通しの良い冷暗所」となるのですが、そんな場所を見つけることはとても大変なことです。
そもそもタイヤは外で使うものだし、走行中の熱などいろんな過酷な条件を考慮して造られていますので、そこまで神経質になる必要もないです。
倉庫や屋根付の車庫で保管できる場所あれば一番手頃で良いと思うのですが、難しい人も多いと思うのであとはベランダとか、とにかく雨風がしのげて直射日光が当たらず自分で管理できる場所を探しましょう。
せっかく万全の準備で保管していたのに盗難に遭ってしまえば元も子もありませんからね。
次に保管する際のタイヤの向きも大事です。
どういうことかというと、タイヤを縦置きにするのか横に寝かせて保管するのかということです。
これはタイヤとホイールに関係するのですが、タイヤだけで保管する場合は横に寝かせた状態で上に重ねていくと、下のタイヤが重みでつぶれて変形した状態で保管することになるので、縦置き(通常の接地面が下)で保管してください。
ただし、コロコロ転がっていかないようにタイヤ止めなどの対策は忘れないようにしてくださいね。
ホイール付で保管する場合は横に寝かせて上に積んでいっても大丈夫なのですが、出来れば保管する前にタイヤの空気圧を少し抜いたほうがいいです。
空気を抜くにしても一般家庭に道具は置いていないと思いますので、ディーラーや整備工場などでタイヤを履き替えたときについでに少し抜いてもらうとか、ガソリンスタンドに持って行って抜いてもらってください。
目安としては規定の空気圧より50kPaくらい少ない程度で良いです。
規定値の空気圧を表示したシールは、運転席側のフロントドアをあけたセンターピラーの所に貼ってあるので確認してください。
では、逆に保管場所に不向きな場所はあるのでしょうか?
タイヤの保管場所でダメな場所は?
やはり一番ダメージが大きいのが直射日光が当たる場所になります。
場所がないからといって日が当たる場所でブルーシートなどの簡易的な保護で保管することはもってのほかです。
もうそれは保管とは言わずただタイヤを痛めているだけです。
そういった場所しかない場合は最低でも専用カバーを被せるか、お金はかかりますがカーショップ等のタイヤ預かりサービスを利用するようにしてください。
野ざらしでタイヤをダメにして買い換えるより、預かり料のほうがはるかに安くなります。
預かってくれる場所と金額等はカーショップやガソリンスタンドなど様々で、市区町村で変わってきますので利用しやすい所にお問い合わせてみてください。
預けるとタイヤの点検も行ってもらえて盗難される心配もないので安心できますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
主にスタッドレスタイヤに関してでしたが、サマータイヤを長期保存する場合でも同じですので参考にしていただければと思います。
タイヤの保存方法をいい加減にしてしまうと、久しぶりに引っ張り出して使ったときに本来の性能が発揮できず事故につながってしまいますので、正しい方法で保管して使用する前にはしっかり点検するようにしてください。
面倒なところもありますが安心・安全のために手間を惜しまないようにしていきましょう。