車業界の一番の注目株が電気自動車となっているのですが、まさに次世代の車であり急速な成長をしています。
今後主流となるであろう電気自動車。
ガソリン車にはない低コスト、ガソリン車よりも高い性能やさまざまな補助金制度、そして、何よりも高い環境性能を備えた最新の電気自動車情報をご紹介いたします。
では、さっそく電気自動車の価格からみてみましょう。
電気自動車の価格
2018年現在100%電気自動車として販売しているのは国産メーカーでは日産と三菱の2社しかありませんが、車種それぞれの性能、価格は以下の通りとなっております。
〔日産〕
●車名ーリーフ
電費(燃費)ー7.9km/kWh
充電時間ー16時間/3kw・8時間/6kw
急速充電ー40分/80%充電
航続距離ー400km
価格ー3,150,360円~3,990,600円
●車名ーe-NV200
電費(燃費)ー6.0~7.5km/kWh
充電時間ー16時間/3kw・8時間/6kw
急速充電ー30分/80%充電
航続距離ー190km
価格ー3,294,000円
〔三菱〕
●車名ーi-MiEV
電費(燃費)ー110Wh/km
充電時間ーAC200V/4.5~7時間
急速充電ー15~30分/80%充電
航続距離ー120~172km
価格ー2,624,400~3,150,360円
●車名ーMINICAB-MiEV
電費(燃費)ー127Wh/km
充電時間ーAC200V/7時間
急速充電ー35分/80%充電
航続距離ー150km
価格ー1,769,040~2,150,280円
金額を見た感想は?如何でしょうか?
高いし、走行距離が短いかなと思われる方も多いでしょうね。
では、少詳しく見て見ましょうか!!
日産は特に電気自動車に力を入れておりリーフのカタログ上の航続距離は400kmと申し分ない性能となっていますが、日産と共同開発をし合弁会社まで持つ三菱の車も急成長しているのが分かります。
まだ遠出するには不安が残る感じはありますが、日々バッテリーの進化はしており、外国メーカーにはなりますが一度の充電で1,000kmを超える車種も出てきたんですよ♪
そこで電気自動車をはじめ、ハイブリッド車(HV)や電気自動車にかなり近いプラグインハイブリッド車(PHEV)等の環境性能を特化したエコカー。
エコカーとはどういったものか?どういう仕組みになっているのか?を説明していきたいと思います。
エコカーとは冒頭でも触れた通りエコロジー(環境)とエコノミー(節約)の両方の特性を持っているのですが、その定義として
②エンジンとモーターを組み合わせたもの
③エンジンの環境性能を向上させたもの
の3種類に分けることが出来ます。
②と③は代表なものにハイブリッド車(HV)やアイドリングストップ車がありますが、電気自動車(EV)は〔①エンジンを使用しないもの〕にあたります。
現在の車の主流はもちろん燃料を必要とするエンジンで車は走っていますが、電気自動車にはエンジンがついておらず、バッテリー(蓄電池)・モーター(電動機)・コントローラー(制御装置)・車載充電装置で主に成り立っています。
仕組みとしてはバッテリーに充電された電力でモーターを動かして車を走らせるので、乾電池を入れて動く車のおもちゃと変わりません。
子供の頃よく遊んでたおもちゃが実際乗れるようになるなんて想像もしたことなかったです。。。
電気で動くものとしてはフォークリフトがあったりゴルフ場のカートがあったりと、まったくなかったわけではないですが、道路を走らせるにはまだまだ問題が多く実現することが出来なかったのですが、蓄電池の発展によってそれが可能になってきたのです。
蓄電池はまだ発展途中のため価格も高いので車両価格も高く感じますが、性能が上がり量産され大幅に下がってくればガソリン車よりも安く生産することが可能ですので、今後の蓄電池に注目していきたいところですね。
そして電気自動車で今まさに注目しておきたいのが補助金や免税、減税の制度です。
補助金の制度はけっこう複雑で細かく説明すると眠たくなってきますのでサラッといきたいと思います。
電気自動車の補助金
車両を購入してナンバープレートを付けてから申請出来る補助金に、次世代自動車振興センター(NEV)のクリーンエネルギー自動車補助金というのがあります。
その名の通り、次世代車のために作られた組合で次世代車のための補助金制度なので、受けられる補助は一番大きいです。
このNEVで受けられる補助金は、車種やグレードによって細かく設定されており、一度受けてしまえば4年間車を変更出来ないなどの縛りやその他の細かい決まり事が存在しますが、上限で40万円の補助が受けられたりしますので、すぐ乗り換えるという方以外は受けておいたほうが絶対お得です。
ただ、国の予算から補助金が出るので手続きが面倒だったり、毎年基準が変更されたり申し込みがすでに終了していたなんてことがありますので、その都度確認するようにしてくださいね。
その他、国(NEV)以外の補助金については現在住んでいる地域、市区町村によってそれぞれ細かい条件があり、さらに事業者のみ対象で個人では受けられない補助金や、さらには補助金をまったく出していない自治体などもあります。
車両の購入検討と共に現在住んでいる自治体でどんな補助金が受けられるのかも知っておいたほうが良いです。
電気自動車の購入には様々な補助金があることの他に、さらにお得な情報があります。
それは、自動車を購入する際に必ずかかってくる税金に関することです。
まず一つ目に「自動車取得税」ですが、通常は税抜きの新車価格に90%をかけてそれぞれ該当する掛率によって計算されますが、電気自動車(PHEV車含む)は自動車取得税の一覧表では「次世代自動車」のカテゴリにあたるため100%免税となります。
例えば400万円の自家用車を購入する場合と比べるとなんと10万円ほども安く購入できるということになります。
これだけでもかなり大きいですよね。
そして二つ目に「自動車重量税」ですが、ガソリン車でエコカーではない車の場合で車重が1.5t~2.0tだと1年間で16,400円、さらに13年、16年と超えると税額が上がってくるのですが、この自動車重量税も「次世代自動車」のカテゴリになるため100%免税です。
では自動車税はどうなるでしょうか。
この自動車税の金額は排気量によって決定され、毎年支払いしなければいけないのですが、電気自動車にはエンジンは無い為、排気量はゼロです。
一覧表では、排気量1リットル以下に該当するので1年間で29,500円となるのですが、ここでも「次世代自動車」になり、75%減税され7,500円となります。
ただ、この75%減税は購入の翌年1回のみ適用ですのでご注意下さいよ。
さて、頭の痛くなる税金の話はこれくらいにして電気自動車のことに戻りましょう。
次は充電時間と料金についてです。
電気自動車の充電時間と料金
電気自動車の充電時間については価格のところで少し紹介していますが、注目してもらいたいところがあります。
もう気がついている人がいると思いますが、充電するには200Vの設備が必要になります。
通常の家庭のコンセントは100Vですよね。
100Vの電源でもオプションのケーブルを使えば充電は出来ますが(200Vのみの設定車もある)、満充電するのにほぼ丸一日必要になる車種もあるくらい時間がかかります。
そのため家庭では200V電源の確保をする工事が必要になるのですが、日産のカタログにある業者での工事費用は、9万5千円+消費税かかります。
そして毎月の料金も電力会社によって金額は大きく変わってくるので、新たに電気料金を見直す意味も込めて再度電力会社を検討するのも良いかと思います。
電力会社との通常の契約だと1kWhあたりの電気料金はおよそ30円になるのですが、日産リーフの場合の電費は1kWhあたり約8km走れるので、30円÷8kmで1km走るのに約3.8円かかることになります。
ガソリン車のプリウスと比べてみると、1リットル150円、燃費25kmとすると1kmあたり6円となるので、2.2円お得ということになります。
家庭以外にガソリンスタンドや商業施設などにある「充電スタンド」で充電出来るのですが、充電スタンドには、ポール型普通充電器(ケーブルあり)、ポール型普通充電器(コンセント型)、急速充電器の3つがあります。
●ポール型普通充電器(ケーブルあり)
設置場所は主に商業施設、カーディーラーや病院等にあり、約4時間で80km、約7時間で160kmの充電が出来ます。
対応車種が限られておらずどんな電気自動車でも充電することが出来ます。
●ポール型普通充電器(コンセント型)
設置場所はケーブルありのポール型とほぼ変わりませんが、約8時間で80km、約14時間で160kmの充電時間になることと、コンセントには2つのタイプがあるので充電出来る車種が限られてきます。
●急速充電器(出力50kW)
設置場所は高速のサービスエリアやガソリンスタンド、商業施設、カーディーラー等と比較的急ぐ人たちが多い場所に設置されることが多く、約15分で80km、約30分で160kmと充電時間はかなり短縮されます。
充電に必要な料金は、急速充電が1回450円~600円と各スタンドにより異なってきます。
充電サービスとして、トヨタ・ホンダ・日産・三菱が設立した合同会社日本充電サービス(NCS)があり、NCSのすべての充電器が使用できる充電カードがあります。
このNCSカードには、普通充電器のみ・急速充電器のみ・普通急速併用の3種類があり、それぞれ月額料金が1,400円、3,800円、4,200円と決まっていますので環境にあったカードを作ることが出来ます。
他にはメーカー独自のプランもありますので、営業マンに何がお得かを確認して下さい。
では最後に電気自動車のメリット・デメリットで締めたいと思います。
電気自動車のメリット・デメリット
ここまで読んでもらえていれば電気自動車のメリット・デメリットがどういうものかというのはある程度分かるのではないかと思っていますが、おさらいの意味も込めて再度メリット・デメリットに注目してみましょう。
メリットは?
つまり維持費が抑えられるということなのですが、充電時間と料金のところでもお話しましたが、ハイブリッド車のプリウスと比べても燃費(電費)に対するコストは抑えられます。
家庭用200Vのコンセント設置の初期費用はかかるにしろ、ガソリン(原油)は限られた資源なので価格の上下が激しく、今後大きく上がることはあっても大きく下がることはないと考えられます。
その分、電気は発電所等で作ることができ、価格もほぼ安定しています。
そして、自宅近くに充電スタンドが使用できる環境であれば、月額のNCSカード等をうまい具合に使って充電できれば新たにコンセントを設置しなくてもよくなるし、決まった月額で充電し放題なんてことも可能です。
●電気自動車のメリット2 環境にやさしい
これはもうメリットというよりは電気自動車が、いや、次世代自動車が環境を考えたものに重点を置いていることは当然のことですね。
次世代自動車と環境は離せないことです。
エンジンの付いた車からは排気ガスが出ます。
その排気ガスには温室ガス効果による地球温暖化やオゾン層破壊、光化学スモッグを発生させる成分など、地球や人体に害を及ぼすものがたくさん含まれていますが、電気自動車は排気ガスゼロなので、まさにこれからの車だといえますね。
●電気自動車のメリット3 補助金がもらえる
次世代自動車振興センター(NEV)のクリーンエネルギー自動車補助金をはじめ、自治体独自の補助金制度までや電気自動車だからこその各種税金免除・減免などの制度が充実しています。
●電気自動車のメリット4 静か
電気自動車はモーターによって動きますので、非常に静かです。
停車中でも走行中でも振動や騒音は少ないので車内の会話やオーディオが良く聞こえたりします。
ガソリン車と違い電気自動車は電気モーターなので、瞬時に最大トルクにすることが出来るので走り出しが違います。
そして騒音も少ないので最初は少し違和感を感じてしまうかもしれませんが。
デメリットは?
やはりこの部分がデメリットとして一番ではないでしょうか?
日産リーフが航続距離400kmとなっていますが、エアコンの使用などで実際の航続距離は6割程度と考えると240kmくらいだということになります。
これから先バッテリーの容量が上がり距離は伸びてくるとは思いますが、現時点では長距離運転には難有りといったところです。
自宅で使用しない時間に充電している間は気にならないですが、外出先の充電スタンドを利用するときは不便を感じます。
ガソリンの給油であれば5分ほどで満タンにすることが出来ますが、充電の場合、急速充電を使っても最短でも3~40分で80%ほどが限界です。
ましてや、先に使用している人がいればさらに時間が必要となります。
この充電時間もこれからメーカーが対策してくれるとは思いますが、大きなデメリットとなっています。
2018年5月の時点で全国の急速充電器の設置台数は7241基とまだまだ少ないです。
まだ航続距離も短いので長距離運転で使用する人は少ないと思いますが、充電回数は多いのに設置台数が少ないということは購入する際の不安材料の一つではありますね。
トヨタの最新型のプリウスが260万円~購入できることを考えれば、日産リーフが315万円~というのは、補助金が出たとしてもちょっと高く感じます。
もっと大量生産されるようになるとお手ごろの価格にはなると思いますが。
まとめ
この先10年後20年後の自動車業界はガラリと変わっているかもしれません。
その一つとしてこれまで業界を支えてきたエンジン搭載車から次世代自動車への転換です。
その次世代自動車も水素自動車などがありますが、今、世界で一番進んでいるのが電気自動車です。
このまま電気自動車が主流となるのかは今後の流れを見てからということになりますが、エンジン搭載車が減ってくることは確実ですので、それに伴って、車検や整備方法も変わっていきます。
今はまだ初期段階で不便なことが目立ちますが、徐々に日常となっていくことを考えると、今このタイミングに遭遇している私たちは非常に貴重で歴史的な時間を過ごしていると思います。
刻々と変化していく自動車業界をこれからも注目していきましょう。