海外の映画やドラマなどを観ていて「あの車カッコイイ!」と外車に憧れたことがある人はけっこういますよね。
ベンツやポルシェを始め、一昔前の映画でよく見たtheアメ車というようなキャデラックやシボレーのインパラなどいろんな車種が中古車市場を見ていてもありますが、実際購入までしたことがある人は少ないと思います。
もちろんベンツやポルシェなどは高級車になるので元々の本体価格が高くて手が出せないという事もありますが、一番最初に思う外国の車のイメージは維持費が高いということではないでしょうか?
しかし、実際のところ外車に乗ることは国産車よりも維持費は高いのか?
また、金額の差はどれくらいあるのか?
など、最近の外車事情を踏まえ国産車と比較しながら一つ一つ見ていきたいと思います。
外車の維持費は高い?
まず国産車や外車に限らず車を所有し維持するには「税金」・「保険」・「車検代」・「修理代」・「ガソリン代」があります。
これら5項目が一般に維持費となるのですが、国産車と外車ではどの項目で差が出てくるのか1項目ごと比較して見ていきたいと思います。
1つ目は「税金」です
自動車かかる税金は「自動車税」と「自動車重量税」、あと自動車購入時のみ必要になる「自動車取得税」の3種類です。
「自動車税」とは、自動車の排気量の大きさによって課税されるもので、毎年4月1日に自動車の所有者にかかる税金です。
「自動車重量税」とは、自動車の重量によって決まる税金で自家用乗用車は車両の重さ0.5トンごとに税額が変わります。
この自動車重量税は新規登録から13年以上経過すると税額が上がり、18年以上経過するとさらに税額が上がります。
つまり自動車が古くなると税金が高くなるのですが、逆に新車だとエコカー減税の適用等で税金が3年目まで免除になったりします。
「自動車取得税」とは、50万円を超えた自動車を購入したときに必ずかかる税金であり、新車の価格や経過年数によってそれぞれ変わってきます。
ただし、ハイブリッド車や電気自動車は税率が優遇される場合があります。
上記3種類の税金の面では国産車であろうが外車であろうがそれぞれ排気量・重量・価格のみが関係してくるので差は出ません。
ベンツなどは税金が高いイメージがありますが、排気量大きく、重量もあり車体価格も高いので当然税金は高くなります。
国産車でもトヨタのクラウンマジェスタが同クラス程度になるのですが、ベンツと同じ税金がかかります。
2つ目に「保険」です
保険には「自賠責保険」と「任意保険」の2つがあります。
「自賠責保険」とは、正式名称で「自動車損害賠償責任保険」といい、交通事故被害者の救済を目的とした保険で、別名「強制保険」と呼ばれ法律によって加入することが義務となっています。
この自賠責保険にも国産車とか外車の区別はなく加入期間によって金額が決定されています。
ちなみに自家用乗用自動車で12ヶ月で15,520円、37ヶ月で36,780円となっています。
「任意保険」とは、自賠責保険が被害者のみにしか対象にならないのに対し、自分自身への補償を始め物損や車両に対する補償や、有事の時自賠責保険では不足してしまうほどの損害が出た場合に補ったりするための保険です。
この任意保険は国産車に比べ外車のほうが高くなります。
なぜ高くなるかというと、修理費用が高くなったり盗難にあうリスクが高くなるため車両保険や基本補償の金額が高めに設定されているからです。
車両価格が低い車種でも同じクラスの国産車と比べると1~2割くらいの差が出るのですが、高級車になるほどその差は広がっていきます。
車両保険に加入するかしないかで大きく金額の差が出てくるのですが、倍くらいの差が出ますので悩むと思いますが外車に乗るのであれば加入されることをオススメします。
国産車よりも修理費用や盗難のリスクは高くなるためで、国産車であっても日産のGT-Rなどは保険料が高めに設定されています。
3つ目は「車検代」です
すでに車検を受けたことがある人はご存知かと思いますが、車検費用は大きく分けて「法定費用」と「整備代金」の2つに分かれています。
「法定費用」には自賠責保険・重量税・印紙代の3つが含まれていて国産車と外車との金額の差はありません。
「整備代金」には部品代と作業費用の2つが含まれているのですが、ここでまた大きな差が出てきます。
部品も純正部品ではなく汎用部品が使えれば大きく金額が上がることはないですが、やはり純正部品に交換しないといけない部分もあり、その純正部品も国内になければ海外から取り寄せになるなど思わぬところで金額が上がったりする場合があります。
部品一つとっても国産と外車では規格が違ってきますので、部品を販売している業者でも外車の部品の在庫を持っていないということが発生してくるため時間と費用がかかります。
部品の規格も変われば構造も変わってきますので、技術と作業時間等の関係により工賃も高くなる傾向にあります。
4つ目は「修理代」です
先ほどの「整備代金」のところでもお話しましたが、修理するには部品が必要で、その部品が国産と比べると高くなり技術と知識も必要になるのでちょっとした修理でも高額になることがあります。
部品代と工賃でだいたい3~5倍の差が出てくるものと考えて良いと思います。
5つ目は「ガソリン代」です
燃料費は車に乗る以上常に必要になるお金ですが、一昔前の外車はガソリンを垂れ流しながら走っているのかと思うくらい燃費が悪かったのですが、最近はかなり改善されています。
しかしまだ燃料費は国産よりかかります。
その理由として、一つはガソリンがハイオク指定の車種が多いということです。
これは馬力を重視した外車の特徴でもあります。
ご存知の通りハイオクはレギュラーガソリンに比べ1~2割高く、最近は中東情勢の状況も悪くガソリン価格が上がっていく一方なので、毎月2~3回入れるにしても金額の差はかなり大きくなります。
そしてもう一つが燃費の悪さですね。
外車にはハイオクを燃やしながらパワフルに走る車が多く、排気量も大きいのが多いのでそこが燃費の悪さに繋がってきます。
以上、維持費を大きく5つに分けて比較してきましたが、次に金額が大きく変わってくる「修理代」についてもう少しお話したいと思います。
外車は故障が多い?
外車の悪いイメージとしてよく聞くのが「故障が多い」ということだと思いますが、たしかに日本車と比べれば壊れやすいです。
壊れやすい場所として電気系統の故障が多いと聞きますが、特にポルシェやベンツなどの高級外車の故障事例が多くなっています。
その理由として高級車には自動車テクノロジーの最先端技術が数多く取り込まれていて、すごく画期的になった反面その構造がかなり複雑になってきているからです。
様々な最先端技術と電子制御によって行うパーツを多様に搭載し、その多くを電子制御でコントロールしていることもあり、故障した場合の修理費用も高額になるようになりました。
しかし、車の技術はまだ発展段階にありその都度対策はとられています。
日本は欧米の気候と違い高温多湿の気候のため電気系統の故障が多いと言われてきましたが、コネクターの配線を改善したりホース類やブーツ関係のゴム製品を日本の耐久に合わせたりしており、気候による故障はかなり減少しています。
外車が故障が多いと言うのも道路状況や走行速度が日本と欧米では違うところがあることも関係しています。
北米やドイツなどの一般道で感じることは運転スピードの速さです。
欧米では片側2~3車線ほどの大きな道路だと通常でも100km/hほどのスピードで車が流れています。
もちろんアメリカの道路など道幅は広く直線ばかりでカーブが少ないということもありますが、日本のように整備が行き届いていない道路も多いのにスピードを出して走るのでそういう運転環境の違いで車の性能に差が出ています。
そういう環境の道路を走るには直進を高速で走るための安定性やブレーキ性能などの違いが出てきます。
実際同じ排気量の国産車と外車を比べてみても加速や馬力の違いが分かると思います。
ちなみに高速道路で有名なのはドイツのアウトバーンと呼ばれる高速道路で制限速度は無制限です。(厳密には無制限区域と制限区域があります。)
なので200km/hで走るなんて日常の光景になっています。
早いスピードで走れば衝突も多くなりますが、そういうことも考慮してドイツ車はボディサイズに関わらず衝突エネルギーがバンパー、ボンネット、フレーム、ドア、ルーフなど可能な限り車全体で吸収するシステム、強度ある素材で衝撃分散構造となっていて安全性に特化した造りとなっています。
それは、車に使用するスティールやアルミ素材の品質や厚み、接着剤の強度と接着・溶接ポイントの多さ、部品同士のかんごう度合などからみても衝撃に対する手間のかかり方や製造コストのかけ方の違いが見られます。
その辺のコストが車体価格に反映されていますが。
ボディーだけでなくブレーキ性能に関しても、高速からの強いブレーキングでは少しずつ車体を低く沈ませながら止まるので安心感が違い、車体も真っすぐ前を向いたままで止まってくれます。
サスペンションでも悪路が多いヨーロッパ育ちならではと言えそうなほどショックを吸収する優れたサスペンションとなっています。
そんな道路状況や運転環境で発展してきた車なので、日本のようにカーブが多く進んでは止まりを繰り返すような運転環境や気候の違いで対応出来ない部分があるので、外車は故障が多いと言われるようになりました。
でもそれは外車に乗るドライバーはじゅうぶん承知の上で、逆に自分が大好きで乗っている車なので、そういう手間がかかることが可愛く思っているものです。
では、次に最近の外車事情のことをお話したいと思います。
最近の外車事情
ここ最近の販売される自動車は国産車や外車に関わらずハイブリッド車や電気自動車が多いと思いませんか?
それは今世界中の自動車業界で次世代自動車への加速が強まっていることが原因です。
次世代自動車と言うと電気自動車や燃料電池車(水素燃料車など)などですが、あと20~25年もするとガソリン車とディーゼル車が市場から姿を消すと言われており、実際2040年にはガソリン車とディーゼル車の販売を禁止することを発表している国もあります。
高級車で有名なポルシェも2018年上半期の販売台数は13万台を超え売上高や営業利益など好調だった中、電気自動車の開発も進めており2019年にはポルシェ初のEVスポーツカー「タイカン」の生産を始めます。
この「タイカン」には、2個のモーターが搭載され最大出力600ps以上になります。
このパワーが4輪に伝達される4WDとなっており、加速力も0-100km/hまで3.5秒以下、0-200km/hまで12秒以下とスポーツカーならではとなっています。
バッテリーはリチウムイオンで、1回の充電での航続距離は500km以上に到達するとなっており申し分ない性能になっています。
電気自動車というとやはり一回の充電での走行距離がまだ短いということがネックになると思います。
日本のメーカーでは日産が特に電気自動車に力を入れており、新型リーフは1回の充電で400km走行できるところまできました。
車体価格も315万円~400万円弱となっており、電気自動車の中でも特に評価が高く世界での販売台数が30万台を超えるほど、世界で注目を浴びている電気自動車となっています。
電気自動車は海外メーカーのほうが力を入れているので少し見てみたいと思います。
まずはBMW。
ドイツのバイエルン州ミュンヘンに拠点を置く、いわずと知れた世界トップクラスの自動車メーカーですが、電気自動車の開発も進んでおり「i3」という車種が注目を浴びており、2018年9月に新グレード〔120Ah〕を欧州仕様として発表しています。
この〔120Ah〕はバッテリーの大きさは従来通りながら蓄電容量を大きくし、標準グレードで最大300kmから359kmへとおよそ2割の航続距離を伸ばしてきました。
まだ〔120Ah〕の価格は今現在発表されていませんが、旧グレードで538万円~となっています。
次にフォルクスワーゲンです。
フォルクスワーゲンもドイツの老舗メーカーで、日本でもレトロで可愛いと話題になったワンボックスカーのワーゲンバスでも有名ですね。
フォルクスワーゲンでは「e-Golf」を販売していて航続距離は301km、価格は499万円~となっています。
そしてアメリカからはテスラモーターズです。
テスラは2004年に創業したばかりでまだ新しいのですが、スポーツカーレベルの高性能電気自動車を製造しアメリカで400万台以上販売し大きな話題を呼びました。
「モデルS」はまさにスポーツカーと言うべく加速は時速100km出すのに2.7秒しかかかりません。
しかし、価格は933万円~と高級車並ですが航続距離は500kmを超えます。
低価格の「モデル3」は400万円~としたグレードも販売を始めています。
以上、国内メーカーと海外メーカーを少しご紹介しましたが、次世代自動車はかなりのスピードで開発が進んでいます。
まだ車体価格が高く、国内でも充電スポットが少ないなどの問題はありますが、電気自動車にはいろいろな補助金制度もあり、税金も免除があるなどメリットも多くあります。
これから乗換えを検討される方も海外メーカーの電気自動車を選択肢の一つとしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
国産車と外車の違いについていかがでしたでしょうか?
今までイメージが悪い所もあったかと思いますが、税金面では国産車と変わりはないし、故障に関しても昔ほど多くもなくなりましたが、全体で見ると維持費としては高くなります。
しかし、外車に乗るということは「デザインが好きだから」とか「昔から憧れていた」など、個人個人の思いが強いと思います。
多少手間とお金がかかるかもしれませんが、自分の愛情を前面に注げる愛車があることはとても幸せなことだと思います。
これからも大好きな愛車と共にいろいろな思い出作りをしていける、素敵なカーライフを送ってくださいね。