ETC2.0とETCの違いは?メリットデメリットと本体価格

  • 2018年9月24日
  • 2020年6月23日
  • 電装系

高速道路の料金所をノンストップで通過し渋滞の緩和を目的としたシステムですが、このETCを知っている方は多いと思います。

でもETC2.0って知ってますか?

今世の中にはいろいろな電子機器があります。
パソコン、スマートフォン、ゲーム機など多種多様にありますが、それらの電子機器は常にバージョンアップなどを繰り返し進化していっています。
しかしその多くは進化してすごく便利になっているのに、知らないってことありませんか?

高速道路を使用する時に便利なETC(Electronic Toll Collection System)。
2001年春に本格始動し、ETC装着車はかなり増えて料金所の渋滞はかなり解消されたのではないかと思います。

そのETCが2016年春にバージョンアップして「ETC2.0」として登場していること、どれくらいの人が知っているでしょうか?
ETC2.0とは何なのか?、どんな便利な機能が追加されたのか?、今までのETCと何が違うのか?

など分からないことがたくさんあると思いますが、一つ一つ詳しく解説しETC2.0の魅力が伝わるようにまとめてみました。

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ETC2.0って何?普通のETCと違うの?

まずETCとは高速道路の料金システムですが、どういうふうにして料金決済しているのでしょうか。

ETCは5.8GHzの周波数帯を使うDSRC(Dedicated Short Range Communication:専用狭域通信)と呼ばれる通信方式を採用しています。

通常のETCの記事はこちらから。

この通信を利用することによって、車両がETC対応のゲートを通過する際に料金所の出入り口に設置されているアンテナと車載器に情報が瞬時に交換されています。

判別されている情報は。

●ETC車載器はあるかのチェックと、車種の判別
●ETCカードのICチップの読み取り
●上記の情報から決済は可能なのかの判別
を情報交換したのち、問題なければ開閉バーが開き通行可能となるんですよ。

この料金システムが楽で便利だということでETCが普及し始めたことをきっかけに、これまで料金決済のために使用していた通信を拡張し、ETC車載器を通していろいろな情報をやり取り出来るようにと「DSRC車載器」が登場しました。

そしてDSRC車載器の登場に伴い、高速道路上にITSスポットと呼ばれるアンテナを全国約1600箇所に設置して、渋滞情報や進行先の車線規制などの注意喚起をしてくれる「ITSスポットサービス」を2011年よりスタートさせました。

このサービスでは道路上の様々な最新情報を知ることが出来るので、渋滞回避できるなど便利な機能が備わっているにも関わらず、世間ではあまり知れ渡らず普及しませんでした。

その現状を踏まえこの度、国土交通省がこれまであまり知られる事のなかった「DSRC車載器」や「ITSスポット」という名前を「ETC2.0」と統一して装い新たに再登場させることとなりました。

これまでのETCは単に料金決済をスムーズにすることだけが目的でしたが、このETC2.0では料金決済は当然ですが、それに加え下記の情報サービスを受けることが出来ます。

●安全運転支援
進行先の合流地点や出口の情報、落下物や急カーブの情報などを事前に注意喚起してくれます。

●渋滞回避支援
ITSスポットにより最大1,000km分の交通情報が提供されることにより、より広範囲の道路状況が把握できるため全体の所要時間を計算し、渋滞している道路を避けスムーズに通行できる最善のルートを選択できるようになりました。

●災害時支援
災害発生と同時に災害発生状況や災害支援情報の提供が行われます。

ここで一つ疑問に思うことがあります。

これまでのカーナビにもVICSの渋滞情報があるのに何故わざわざETC2.0で渋滞情報をはじめないといけないの?

 

それは高速道路上のアンテナが関係してきます。

ETC2.0のITSスポットのアンテナと、VICSの電波ビーコンは渋滞や通行止め等の最新情報や所要時間の情報提供などほとんど同じ役割をしています。

しかし、VICSの電波ビーコンが古くなってしまい2022年には廃止されETC2.0に一本化されることが既に決まっています。

それが何を意味しているかというと、2022年以降高速道路で渋滞情報を受けたい場合はETC2.0対応の車載器を搭載していないといけないということです。

こういう大切な情報はみんながもっと早くに知れるように、国土交通省が率先して情報提供してもらいたいと個人的には思ってしまいます。

2022年以降の渋滞情報サービスを受けるためにもETC2.0への切り替えをしたいところですが、いったいどんなメリットがあるのかを次で紹介したいと思います。

ETC2.0のメリットはあるのか?

従来のETCからETC2.0へ切り替えに伴うメリットをまとめてみました。

メリット1 広範囲の最新情報を把握できる

ETC2.0とカーナビを連動させることにより、広範囲のより細かく正確な情報をリアルタイムでカーナビに反映させることが出来ます。

これまでのカーナビだと対応できる範囲が200kmだったことに対して、ETC2.0ではその5倍の1,000kmとかなり広範囲になりました。

メリット2 安全運転支援システムの高精

進行先の落下物や工事による車線の変更から積雪や濃霧の情報などの正確な情報を事前に知らせてくれます。

メリット3 災害時支援

近くだけでなく遠方で起きた災害でもすばやく察知し危険を回避することが出来ます。

メリット4 高速料金が安くなる

現在は通常のETCでも深夜割引や休日割引等がありETC2.0でも同様に利用できるのですが、ETC2.0ではさらに関東にある圏央道を利用するだけで2割引となっています。
現時点では圏央道のみですが、今後さらに増える可能性はあります。

メリット5 渋滞していないルートを通ると割引になる

有料道路に限られますが、混雑した道路を通る際、ETC2.0のガイドが示す別のルートを通ると渋滞に緩和したと認識して割引になります。
まだまだ都市部の有料道路以外では適用出来るところはありませんが、渋滞時間を少なく出来て割引になるのでお得です。

メリット6 途中下車できる

これはETC2.0独自のといってよいサービスになりますが、高速道路のICを途中下車して道の駅を利用し、再び高速道路を利用しても乗りなおした時の追加料金がなくなるという制度になります。
必ず同じETCカードで対象の道の駅やスポットを利用することが条件としてあり、途中下車するICも乗りなおすICも指定され時間制限等も設定されていますが、その土地の色がはっきり出る道の駅を満喫でき、給油の混雑解消、そして長旅のちょっとした気分転換と思い出作りが追加料金なしで楽しめる新サービスとなっております。
現在ETC2.0で途中下車を利用できるスポットは全国で17箇所ありますが、随時増えておりますので高速道路を利用される際には一度調べてみて、立ち寄れそうなところがあれば利用されることをおススメします。

メリット7 新たに購入することによりお得な割引がある

新たに購入することによって補助金がもらえたり、キャンペーンの利用でお得な割引が利用できます。
補助金制度は期間・対象する台数等が決まっており既に終了しているものが多いのですが、用品店等で対象のお得なキャンペーンが開始されていたりしますので、検討されている方はぜひチェックしてご利用ください。
さらにはETCカードを新たに作ることによるお得な割引があります。

ETCカードはクレジット会社へ申し込んで審査してもらう必要があるのですが、各社独自のキャンペーンによりキャッシュバックやポイントとしてもらうことが出来ます。

サービスにはメリットがあればデメリットもあります。

デメリットとしてどんなことがあるでしょうか?

デメリット1 移行にお金がかかる

ETC2.0の車載器はこれまでのETC車載器と比べ本体費用が高く、本体代に取り付け費用、セットアップ費用を加えると2万円を超えてくる金額となります。
また、カーナビと連動させたい場合ETC2.0に対応していないカーナビだと買い替えが必要となってきます。

デメリット2 2015年6月30日までに購入したDSRC車載器は再セットアップが必要

使用中の車載器がETC2.0に対応していたとしても、2015年6月30日よりも前に購入・セットアップした機種はそのままでは使用できませんので、必ず販売店や取り扱い店等に持っていき再セットアップするようにしてください。
再セットアップに必要な金額は3~4千円程度です。

以上、メリット・デメリットをご紹介しましたが、サービスの内容の違いはもちろんですが、価格でも大きな違いが出てきています。

そこで次ではETC2.0に移行する際の価格の違いを見て見ましょう。

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ETC2.0の本体価格とETCの本体価格は違うの?

ETCとETC2.0では価格に大きな差が出てきています。

ETCの場合本体が安くて5,000円台から購入でき、そこに取り付け代金とセットアップ料金を加えるとだいたい12,000円から全部込みで利用することが出来ていましたが、ETC2.0は本体が14,000円台~、そこに取り付け代金とセットアップ料金の全部込みの価格が加わると3万円を超える金額となりますので、およそ2倍の金額差が出てきます。

金額だけを見ると単純に高額に見えると思いますが、ナビと連動して最新の渋滞情報や渋滞回避のルートを教えてくれたり、各地域の道の駅に寄りやすくなったこと、実店舗等でのお得なキャンペーンの利用で費用の軽減が出来たりすることを考えると、けして高いだけではありません。

これからの有料道路の渋滞情報はETC2.0の一本化も決定していますので、早めに決断してみてはいかがでしょうか。

では、ETC2.0にはどんな種類があり、どんな機種が人気あるのか少し詳しく見てみましょう。

まず、車載器にはそれぞれのタイプがあり、大きく分けると3種類に分類することが出来ます。

タイプ1 カーナビと連動するタイプ

「ETC2.0対応」のカーナビと連動させることにより、ETC2.0で得た情報をカーナビに画像と音声で表示することが出来るので、渋滞情報や観光に関する情報を画像と音声の両方から得ることが出来ます。

タイプ2 GPSと連動する受話型タイプ

画像の表示がないので音声から情報を得るタイプとなっています。

タイプ3 スマートフォンと連動するタイプ

ETC2.0対応のアプリをスマートフォンにダウンロードして接続することによりサービスを受けられます。

売れ筋商品のご紹介

●パナソニック 「CY-ET2000D」
機能:音声案内、カード抜き忘れ警告、カーナビ連動機能
価格:14,200円~

●パイオニア 「ND-ETCS1」
機能:料金案内、料金履歴、音声案内、カード抜き忘れ警告、カーナビ連動機能
価格:27,289円~


●パナソニック 「CY-DSR140D」
機能:音声案内、カーナビ連動機能
価格:19,799円~


●三菱電機 「EP-E216SBG」
機能:料金案内、料金履歴、音声案内、カード抜き忘れ警告
価格:13,949円~


●アルパイン 「HCE-B110」
機能:音声案内、カーナビ連動機能
価格:28,299円~

●デンソー 「DIU-A050」
機能:スマートフォン連動タイプ、料金案内、料金履歴、音声案内、カード抜き忘れ警告
価格:19,287円~


となって降ります。やはり通常のETCより金額は高くなってしまいますが、それ以上のメリットがあると思いますよ^^

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まとめ

ETC2.0についていかがでしたでしょうか?
ETC2.0とは最近出来た新しい商品というイメージがありますが、基本的なベースとなるものは「DSRC車載器」や「ITSスポット」といった以前から提供のあったサービスとなっています。
まだまだ全国各地で受けられるサービスの数は少ないのですが、これからもっと数が増え割引やもっと便利な機能が追加されてくると思います。
2016年に本格的に活動が始まったばかりでまだ認知度が少ないですが、2022年にVICSの渋滞情報の提供サービス廃止が決定していますので、今後の主流となってくると思います。
新規で購入予定の方、新たに買い替えを検討されている方は本体価格や購入による新たなキャンペーンなど、日々変化していますのでこまめに情報収集して納得して購入していただければと思います。

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