整備士免許1級は整備士の最難関です。
整備士として絶対に必要な資格ではありませんが、高度の知識と技術を身につけたいなら、ぜひチャレンジしてほしい資格です。
カスタマーとしても、整備士1級を取得した整備士がいる工場には安心して愛車をまかせられるというものでしょう。
顧客にたいする安心感という点でも大きな効果を発揮します。
今回はその整備士1級について説明していきます。
まずは整備士1級とは何か、こちらを見ていきましょう。
整備士免許1級を取得するには
整備士1級は整備士資格の頂点です。
現在、工場で働く整備士のほとんどは2級の資格保持者で、1級をもっている整備士はそれほど多くはありません。
整備士1級は、「2級自動車整備士よりも、さらに高度な自動車の整備ができること」とされています。
試験の合格率も30%前後と、3級や2級よりもかなり低くなっています。
以下、整備士免許1級について詳しく見ていきましょう。
整備士免許1級とは
整備士免許1級には3つの種類があります。
・小型自動車
・大型自動車
・二輪自動車
この3つの種類も1級独特の分類で、3級や2級の種類とは違いますね。
しかも、なぜか、大型と二輪は現在のところ試験が行われていないため、1級は実質、小型自動車のみ受験することができます。
ただ、小型自動車整備士でも普通自動車や小型、軽自動車の整備ができますので、実務のうえではまったく問題ないでしょう。
しかも、1級は自動車の箇所にかかわらずあらゆる整備を担当できる整備士の頂点!!
深い知識と技術もさることながら、カスタマーに対して適切なアドバイスをすることも期待されますから、整備の現場では自ずからリーダー的な存在として重宝されることになるでしょう。
試験については、3級や2級と同じく、学科と実技試験が課されます。
ただし、学科試験では筆記試験だけでなく口述試験をクリアーしなければなりません。
実質、3回試験がある計算ですが、一番の難関は学科試験です。
それは合格率にもはっきり表れていて、学科試験の合格率が30%前後なのに対して、口述試験は95%前後の合格率となっています。
実技試験の合格率は年度によってかなり変動が激しいですが、およそ50%~60%というところです。
受験条件
整備士免許1級の受験条件は非常にシンプルです。
3級や2級のような複雑さがありません。
逆に言えば、3級や2級は、受験するためのルートが幅広く設定されているということでしょう。
受験条件もシンプルであるということは、それだけ狭き門であるのを予想させます。
では、どういった条件を満たせば受験できるのでしょうか。
1級の受験条件は、たった2つしかありません。
1つは、2級整備士を取得して、そのあと3年の実務経験を積むこと。
もう1つは、一種養成施設の1級整備士養成課程を終えること、この2つです。
3級や2級と比べると、非常に簡単ですね。
1級を取得する方法
整備士2級を取得して、さらに3年の実務経験を経て受験する方法と、一種養成施設の1級整備士養成課程で学ぶ方法と2種類あります。
最初の方は一目瞭然ですね。
整備士2級の資格とさらに実務経験3年がなければ、1級を受けることはできません。
実務経験だけで1級を受験しようとすれば、まず実務経験1年で3級を受け、さらに実務経験2年を積み上げ2級に合格し、さらに3年の実務経験でやっと1級を受験できるのですから、1級受験まで合計6年はかかるわけです。
では、一種養成施設で学ぶ方法はどうでしょうか。
1級整備士養成課程をもうけている専門学校は全国各地にあります。
入学資格は、整備士2級のガソリンまたはジーゼルどちらかを取得していることです。
その場合は学ぶ年限は3年です。
整備士2級のガソリンとジーゼルと両方もっている場合は、年限は2年で済みます。
この課程を修了すると、実技試験も2年間免除されるという特典つきです。
また、整備士1級を取得する最短コースとしては、高校を卒業後、1種養成施設の1級自動車整備科を卒業するコースです。
4年学ぶ必要がありますが、卒業後に受験する際に実務経験も必要ありませんし、実技試験も2年間免除されます。
学費は1年につき90万~100万前後かかりますが、整備士1級を取るならこれが最短コースです。
まとめ
整備士1級は、実務のうえで必須ではありませんが、プロフェッショナルを目指すなら目標としたい資格です。
実際、資格取得は簡単ではありませんし、実務経験を積み上げていくにしても一種養成施設を利用するにしても、それなりの時間がかかります。
ですが、自動車が好きで向上心を持ち合わせているなら、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
自動車についての深い知識と、なにより自信が身に付くと思いますよ。